ダブルスラッシュに関連した雑記


by kozai22
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カテゴリ:P2P( 10 )

Fuktommyさん、への私信

 Fuktommyさん、横田です。コメントありがとうございます。

>> インターネットに公開するとなるととたんに難しくなります

>というのは、なぜでしょうか。
>一口にこれだ、と言えないかもしれませんが、知りたいです。

 いつも私が言葉足らずですみませんm(__)m


 説明に行く前に、まず、私の現状でのパソコンの環境を説明させてください。

 現在、私は一台のノートパソコンで、カタカタと色々な作業をしています。まあ、諸般の事情により、最近は時間がありますので、親しい友人達と情報交換&生存報告のために、ある会員制のサイトで日記を作りました。

 ところが、友人達は会員登録してくれません。まあ、私に信用が無いと言われれば、それまでなのですが(笑) どうも「ソーシャル・ネットワーキングという名称が怪しい」等々の意見があって、比較的オフラインで会う人間ほど参加してくれません。

 仕方が無いので、自分でサーバを立てるか借りて、普段からメモ代わりに使っているWikiを公開すれば、それなりに使ってくれるかなと思いました。これで友人達が使ってきれなければ、私に信用が無いことが大・決・定です(苦笑)

 まず、自分でサーバを立てようかと思いましたが、挫折しました。理由として「パソコンが1台しか持っていない」「基本的な知識が無い」といった事があります。

 少し説明しますと、私が使っているパソコンは「保証期間が過ぎると、急に不都合な事が起こる」と大評判の某社製のノートパソコンなので(笑)、用事が終わったら、一秒でも早く終了させたいのが本音です。さらに、電気代等の問題もありますので私は自分パソコンをサーバとして提供したくありません。

 次の理由として「私にサーバ運営の知識が無い」ことかあります。私の知識はお粗末なもので「ダイナミックDNSって何ですか?」「グローバルIPって何ですか?」といったものです。Wikiを自分のパソコンにインストールするのにしても、「設定」の意味もわからず解説本に書いてある通りのことをしたまでです。(結城浩さん、ありがとう。あなたの本のおかげでWikiが使えるようになりました。)

 それなので、仮に自分でサーバを設置するとなると、結構「サーバ運営のための勉強」が必要になります。私は、怠け者なので、勉強をしたとしても続かないし、ゴロゴロしながらクリスティや森博嗣あたりのミステリー小説を読んだ方が良いと考えてしまいます。ダメな人間です(笑)

 以上の理由から、私は自作のサーバでの公開をあきらめました。

 それでは、レンタルサーバならばどうかと考えました。しかし、これには自作でのサーバと同様に「ある程度の知識」が必要であり、何よりお金がかかります(笑)

 私は自分のWebページの掲示板に「無職ならいっそのこと、P2P企業に就職しろよ」などと書き込まれる事情がある人間なので(苦笑) これ以上の無駄な出費はできません。それなので、レンタルサーバもあきらめました。

 プロバイダでの公開も考えましたがディスク容量が足りなくなるのが怖いので止めました。どちらにせよお金がかかるので…



●ちょっと長くなったので、少しまとめます。

私は、「Wiki」や「インストール型のBlogツール」を使ってコンテンツを公開するのは以下の理由から難しいと考えています。

(1)自分のサーバを設置するのは
・ハードを購入しなければならない。
・ダイナッミックDNS等の知識、Webサーバ等の知識が必要。


(2)サーバを借りるには
・レンタルするためにお金がかかる。
・ある程度の知識が必要




 ここまで、読んでいただければ「完全に納得はできないが、お前の言いたい事はわかった。だけど、WebサーバをP2Pに置き換えれば簡単になるって言うのは少し違うだろ」と思われるかもしれません。

 この点について、少し言い訳をします(^^;

 私は、旧NapsterやWinnyのような「ファイル共有ソフト」を「検索機能がついた、誰でも接続できるFTPサーバ」のような物と考えています。私は、FTPサーバを設置したことが無いので、わかりませんが、それなりの知識がある方であれば設置できるものだと思います。

 ところが、どうもFTPサーバでコンテンツをダウンロード/アップロードしている人達よりも、旧NapsterやWinny等のファイル交換ツールを使う人達の方が多いようです。

 これは「なんか、ダブルクリックしてたら、いつのまにやら自分のMP3ファイルを公開されるようになってしまった」ぐらい簡単な操作でファイルを公開/共有できたのが、普及した大きな要因だと思っています。

 何が言いたいのかと申しますと、私はApacheの機能の全てがP2Pとして置き換わるのでは無く、Apacheの上に乗っているBlogやWiki等、一部の機能が、P2Pのような物で提供されれば、普及する可能性があるかもしれないと考えています。

 少し言い換えると「P2Pを使うから簡単になる」のでは無く、「P2P技術を使ったアプリケーションをインストールすると、サーバの機能の一部を使うのが簡単になる」のだと思います。


 以上、私なりの考えを少しまとめてみました。自分の考えをまとめているうちに、かなりの長文になってしまい申し訳ありません。

 また、何かコメント/意見等がございましたら、遠慮無く書いてください。メールの方でも大丈夫です。

 それでは、今後ともよろしくお願いします。
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by kozai22 | 2004-06-13 13:59 | P2P
 前回のエントリで「P2Pコミュニティ」について考えてみたが、どうやら私の地元でP2Pをテーマにしたコンソーシアムが立ち上がるようだ。このコンソーシアムでは「P2Pの(ファイル交換ではない)の普及、啓蒙、定着のパイオニア・発祥の地となり、地域コミュニティの活性化を図ろうという狙いで、企画されたもの」ということで非常に楽しみだ。私もできるならば参加したいと思っている。

 「P2P」と「地域コミュニティの活性化」、この2つには何の接点も無いように思えるが、この二つを結びつける動きは以前からある。例えば、群馬県桐生市でP2P活用をテーマとしたフォーラムが開催されていたり、インターネットウォッチで「P2Pとワイヤレスの交差点」を連載していた小出俊夫氏は、かなり早い段階で「P2Pを使った地域情報配信」の可能性について発表している。

 今まではP2Pを使うデバイスと言えばパソコンであり、P2Pを使った情報配信といえば地球上のリソースを使うようなイメージがあったと思うが。そろそろ、このような地域情報化といった視点やワイヤレスデバイスでのP2Pを考えていくべきだろう。
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by kozai22 | 2004-03-05 20:50 | P2P
 以前P2P todayの掲示板に技術的な質問をしてくれた方がいた。情けないことに私にはわからない問題であったため上手く答えられず、代わりにTomoさんに答えていただいたのだ。私では満足のいく回答ができなかっただろう、Tomoさん、ありがとうございます。

 今回の件に限らず、「P2P」という限定された話題であっても、私のような人間では技術的な事やP2Pを使ったコンテンツ配信の方法などわからないことが多い。そんな時に「その道のプロ」が色々な質問に答えてくれたり、情報交換の場があれば非常に有益だ。

 しかし、Tomoさんも仰っている通り、残念ながらどうもP2P全体の議論が出来る場所がなくなってきているような感じがある。もちろん、Jxtaやアリエルなどのコミュニティは精力的に活動していると思うが、P2P全体の議論ができる場所がないのだ。P2P発展のためにはこのような場所が必要だろう。

 問題なのは、そのコミュニティをどのような運営形態にするかということだ。雑談や「MXの日本語パッチがあたらないのですけど、どうしたら良いですか?」といった質問に答えるだけであるならば、某巨大BBSが代わりにやってくれるだろうし、もはやMLと掲示板だけでの提供ではコミュティとは言えないだろう。そう考えると、一口にコミュニティを作るといってもどのような運営方針にするか非常に難しい。個人的にはPalm関連のライタさん達が集まっている。「パルマガ」のようなコミュニティができれば面白いと思っているが、「P2P」という話題を扱ってこのような形態にするのはなかなか難しいだろう。

 もし「こういうコミュニティ」が良いというアイデア・意見があったら、つまらないことでも良いので、書き込んで欲しい。お願いします。
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by kozai22 | 2004-03-04 21:00 | P2P
 以前からP2Pの動きを追っていると人には「最近、技術的な動きが少ない」と思われていると思う。以前は、大手ITベンダーがP2Pのワーキンググループを作ったり、国内でも有志の手でP2Pをテーマにした会議や団体が作られたものだが最近ではこれらP2P団体の活動も停滞している。実際にはP2Pにも色々と動きはあるのだが、なかなか新しい成果が出てきていない、もしくは見えてこないのも事実だ。

 このような事には、2つの問題があると思う。1点目はP2Pの新しい技術やアプリケーションの動きが見えてこない点だ。2点目は「Tomo’s HotLine」のTomoさんが仰っている通り、P2Pの技術的なことなどを話し会える場所が無いことだ。今回のエントリではこの2つの問題の1点目について考えてみたいと思う。

 今までP2P技術を使ったアプリケーションはファイルシェアリングツールに限らず色々と出てきている。このP2Pアプリケーションの中には精力的にアップデートを繰り返しているものがあるが、サイトを開設してからほとんど情報が更新されないものもある。これでは、そのプロジェクトが本当に進んでいるのか、それとも自然消滅してしまった後なのかわからない。

 もちろん、大規模なアプリケーションであれば開発に時間がかかり、Webページの更新をする必要も暇も無いのだと思う。しかし、何ヶ月も情報が更新されないままでは、そのアプリケーションの開発は止まってしまったのかような印象を与えてしまう。これでは実際には開発が進んでいるのに、まったく動きが無いように思われてしまう危険性がある。

 このような間違った印象を与えないために、P2Pアプリケーションの開発者の方にはBlogなどで「情報」を発信してはどうだろうか?発信する情報は、そのアプリケーションに関係することならば一番良いが、全然関係無いものでも良いと思う。要はそのプロジェクトがまだ「消滅していない」という事がユーザにわかってもらえればそれで良いと思う。

 実際にいくつかのP2Pアプリケーションメーカの中にはBlogを開設している所もある。例えば、Grooveアリエルは既にBlogを開設している。アリエルのBlogをご覧になればわかると思うが「ArielAirOne」以外の話題もある。(と言うより「ArielAirOne」以外の話題の方が多い)P2Pにこだわらなければ「Rabbit Ticker」開発者のYusuke Kudo氏のBlogや検索エンジン「CEEK.JP」の作者ceekz氏もBlogを開設している。

 さらに、Blogのコメント機能やトラックバックを使えば、ユーザからの要望を聞くこともできる。この事についてはBlogではないが「はてなダイアリー」がやっている「はてなダイアリー日記」は良い例だと思う。また、個人でアプリケーションを開発している方ならば、わからないことをユーザから聞いても良いと思う。技術的な事はもちろんだが、ネットワークや著作権、法律のことなども聞く必要が出てくる場合もあるだろう。

 「Blogをやればすべてが上手くいく」とは思ってはいないが、P2Pの技術的な議論が盛り上がっていないのは、こういう所にも原因があるのだと思う。「毎日更新」とは行かないまでも、開発者の方は一週間に一度ぐらい「声」を聞かせてもらいたいと思う。
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by kozai22 | 2004-03-03 21:50 | P2P
 ご存じの通りP2P技術を使ったファイル交換ソフトによって、ISPの上りトラフィックが圧迫されており、いくつかのISPは公式にファイル交換ソフトの制限に乗り出している。このファイル交換ソフトが引き起こす「帯域」の問題は日本だけでなく世界中で大問題になっており、ルータメーカもP2P技術を使ったファイル交換ソフトの帯域制御装置に注力した製品を販売しようとしている。これからもファイル交換ソフトの帯域制御に特化した製品の販売や、ISP側のファイル交換の抑制を発表する機会も増えていくだろう。

 しかし、ISPの中にはファイル交換を「抑制」するのではなく、むしろファイルを「拡散」させようとする動きがある。これはファイル交換で人気あるファイルキャッシュして、ネットワークのトラフィックを軽減しようというのだ。

 もちろん、この方法にはファイル交換とは切っても切れないもう一つの問題。すなわち「著作権」との問題が出てくる。ところがISPやファイル交換業者の中には「著作権」の問題も解決しようとしている団体がある。例えば、イギリスのISPの中にはレコード業界に対して音楽使用料を支払う代わりに、合意しているレコード会社の楽曲を自由に交換できる。

 ISPが利用者から料金を徴収しそれを著作権の業界団体に分配することでファイル交換自体を「合法」にしてしまえば、ファイル交換利用者は捕まらないし、著作権者に料金が支払われる、さらにネットワークの負荷も自分のネットワークにファイルをキャッシュできる。一見すると非常に良い案に見えるがこの方法を採用すると様々な問題が出てくる。

 まずは著作権者の1人々に正当な料金を払うのが難しい点があるということだ。広大なファイル交換網の中である特定の著作権者の作品が、どのくらい「流通」しているかを正確に特定するのは難しいのではないかと思う。そんな状況で著作権者1人々に正当な料金を払うのはさらに難しいだろう。

 2点目として、ファイル交換ネットワークで「流通」しているファイルは音楽ファイルだけではないということだ。ファイル交換ネットワークには映画やテレビを録画した動画データをはじめ、マンガや写真集をスキャンしたデータなど様々なデータが「流通」している。つまり、料金を支払うのは「音楽業界」だけではないということだ。当然ISP側が支払う料金もそれによって我々がISPに払う料金も増えていくだろう。また、著作権団体によってはファイル交換での「流通」をどうしても許さない所も出てくるだろう。そうなれば、どのデータがファイル交換が許されているかを利用者側で把握しなければならない。

 3点目として、もしファイル交換が完全に「合法」になってしまえば、ファイル交換を利用するユーザは一気に増大するだろう。そうなれば、今以上に上がりの送信トラフィックが増えることになる。現状でもISPによっては現状でも既に厳しいのに、今以上のトラフィックに耐えられるのか難しいところだろう。

 日本では、このような「ISPが著作権料を徴収する」という提案は出てきていないが、今後はこのような意見も出てくると思う。しかし、ISPが料金を支払うだけでは簡単には問題は解決しないだろう。

[参考リンク]

レコード業界に音楽使用料を支払う世界初のブロードバンドISPが英国に
impress
ISP加入者はPtoPサービス利用料を支払うべきか
CNET Japan
P2Pトラフィック軽減ソフトに「海賊行為関与」の懸念
ITmedia
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by kozai22 | 2004-02-24 20:23 | P2P
 先日発表された「One Point Wall」がWinnyの暗号を解析しトラフィックをブロックできるようになったことは、一部のネットユーザに衝撃が走ったと思う。これでまた一つWinnyの「神話」が崩れたことになる。

 ネット上の議論を見てみるとISPがこれを導入した影響を心配する声がいくつかある。実際に「One Point Wall」は「ISPライセンス(10000デバイス単位)」というものも存在している。「価格等は別途お問い合わせください」という
ことからISP用には特別な割引があるのだろう。

 とはいえ現状のISPがすぐにこれの導入を「公表」することは考えづらい。理由の一つとしてwe all DOWNLOADの612氏が発言している通り「Winnyの起動自体が犯罪というわけではないし、仮にWinnyがバージョンアップしたり、『Winnyの次』が現れるであろうことを考慮すると、Winnyだけをブロックしてもあまり意味がない」からであり「ISPが利用者の情報を公開するにはWinnyの使用自体が違法とされる前提が必要と思われ」るからだ。このことからもわかる通り、この製品が「企業・学校」をターゲットとした製品であることは間違いがないだろう。では、なぜ企業や学校がこのようなフィルタリングツールが必要なのだろうか。もちろん社内資源の有効活用という面もあるだろうが、ウィルスと著作権団体のための自己防衛ツールという面もあるだろう。

 ご存じの通り、コンピュータウィルスが広がる経路はメールだけでは無い。Winnyを媒介として感染を広げるウィルスは既に登場しているし、KaZaAを媒介としてウィルスも増えてきている。さらに、社内の機密情報などが入ったファイルをうっかり「共有フォルダ」に入れてしまう可能性もある。ネットワーク管理者にとっては、ファイル交換のためにウィルスが入り込んだり機密情報が漏れる隙間を広げるのはあまり好ましいこととは思わないだろう。

 また、このようなフィルタリングツールは著作権団体からの「攻撃」を防ぐのにも役立つかもしれない。(これを読んでいるあなたの会社ではそんなことはないと思うが)いくつかの会社では、なぜか社内ネットワークに公開前の「マトリックス レボリューションズ」の動画ファイルが3~4本もあったり、社内で「神」と呼ばれている人がいるらしい。ここから先はいち々説明しないが、著作権団体にとって彼らが絶好のカモであることは間違いがないだろう。

 ちなみに、知的財産権に厳しいある会社では既に社員の音楽ファイル交換を禁止している。
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by kozai22 | 2004-02-21 22:30 | P2P
 昨日、「Java Technology Conference 2004」の中で開かれた「JXTAの動向およびP2Pの将来」に参加してきた。最近になって再び盛り上がってきた「JXTA」。その動向がどのようになっているか知りたい方も多いだろう。

 ありがたいことに、「Java in the Box」の櫻庭 祐一氏が「JTC 2004 2 日目のレポート」の中で「JXTA の動向および P2P の将来」の様子をレポートされている。JXTAに興味を持たれている方には非常に参考になるだろう。また、このレポートには触れられていないが、このBOFセッションの最後で櫻庭氏も自身のJXTAツールについての発表をされた。

ps:本来であるならば、私もレポートを書くべきなのだが、体調を崩してしまいニュースをまとめるだけで精一杯だ。今日はこの辺で許して欲しい。
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by kozai22 | 2004-02-20 20:08 | P2P
 「コモンズの悲劇」という言葉がある。これはそれぞれが適度に限度を守って共有地の資源を利用している場合には問題は無いが、1人が抜け駆けをして他の人よりも多くの資源を利用し始めると、他の人間も同じことをやってしまい、資源を枯渇させてしまう事を表す言葉だ。

 P2P技術を使ったファイル交換ソフトによる帯域の問題は、この言葉に表されていると思う。他のISPに先がけて帯域制限を「公表」した、ぷららの発表によると「ごく一部のぷららユーザーが起動しているWinnyやWin-MXに対する外部からのダウンロード要求が、ぷらら全体の上りトラフィックの約50~70%を占めて」いたという、このことからも一部のユーザが帯域を枯渇させている状況がわかると思う。

 この発表以後、いくつかのISPが帯域制限を発表した。それらはWinMXやWinnyなどのファィル交換をターゲットとしたものが多かったが、最近ではファイル交換だけでなく送信トラフィック全体を制限するISPも登場してはきている。これは私の個人的な考えだが、今後はファイル交換ツールをターゲットとするよりも「送信トラフィック全体」を制限する方向に向かっていくと思う。なぜならばファイル交換ソフトは無数に存在し、特定のファイル交換ソフトを制限しても次々と新しいファイル交換に対応しなければならない。ご存じの通り、ファイル交換ソフトはWinMXやWinnyだけでなくいくつものファイル交換ソフトがある。

 しかし、トラフィック全体を制限されてしまうと困ったことが起こる。それは、合法的なコンテンツやサービスまで制限されてしまうということだ。ADSLや光ファイバの普及によりネットラジオ/テレビを個人で運営しているユーザが増えてきており、中にはかなりの人気を集めているネットラジオ/テレビもある。もしISPが送信トラフィックの制限を行えばネットラジオ/テレビを個人で運営している人達にとっては非常に大きな問題になる。

 本来は違法なファイル交換をやっている「一部」のユーザと合法的なコンテンツを配信しているユーザは別々に考えるべきであろうが、仮に帯域制限の流れが「ファイル交換ソフト」から「送信トラフィク全体」になった場合には、合法的なコンテンツ配信を行うユーザにかなりの負担がかかるようになるだろう。

 このような問題を「軽減」させる方法としては、peercastのようなP2P技術を利用したストリーミング配信アプリケーションが役立てるとだろう。従来では、ネットラジオ/テレビを配信するのには1つのサーバから接続している全てのユーザのパソコンに配信するために、太い回線と相当な量の送信トラフィックが発生していた。しかし、peercastのようなP2Pを利用したコンテンツ配信を利用すれば、コンテンツを視聴しているユーザが他のユーザに配信してくれる。

 もちろんこの方法を使えば、本来ならばコンテンツを配信するユーザが発生されるトラフィックを、コンテンツを視聴しているユーザが肩代わりすることになる。しかし、コンテンツを視聴がメインのユーザならば、ISPが規定して送信トラフィックを使い切れないだろう。それならば、自分が使い切れない送信トラフィックを「共有」した方が、コンテンツ送信者や他のユーザのためにもなる。それでも、自分の「送信トラフィック」が気になるユーザがいるのであれば、コンテンツ送信者は同じコンテンツでもサイズの「大きいもの」と「小さいもの」を用意しておき、小さい方は従来の方法で、大きい方はP2Pで配布すれば良い。

 帯域制限の問題ではファイル交換が「原因」となるが、必ずしもP2Pが悪者になるわけではない。帯域制限がかけられる今だからこそ、合法的なコンテンツ配信者にとっては有効な技術になっていくだろう。
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by kozai22 | 2004-02-16 22:34 | P2P
 前回のエントリでは「グリッド」を例にして考えてみたが、グリッドがこれから普及していく言葉であるのに対し既に「誤用」が広がってしまった言葉がいくつかある。

 その中でも特に大きく「誤用」が広がっている言葉に「P2P」という言葉がある。P2PとはPeer-to-Peerの略語で「多数のコンピュータを結び、リソースを共有・活用できる分散アプリケーションを構築するための技術」だ。P2Pの技術はSETI@HOMEのような分散コンピューティング、アリエル・Grooveのようなグループウェア、Peercastのようなコンテンツ配信など様々なアプリケーションに使われている。

 しかし誠に遺憾ながら現状では「P2P」という言葉はWinMXやwinnyのようなファイル交換ツールを指すことが多い。個人ページやIT系のニュースサイトでも「P2Pアプリ」と言えばファイル交換・共有ソフトを指す場合がほとんどであり、P2Pを利用しているユーザといえば違法なファイルをしているユーザを指す場合も多い。良くも悪くもNapsterがP2P技術を広めたこともあり、ファイル交換・共有ソフトがP2Pの代表アプリと見られるのはしかたがないと言えば、しかたがない。

 しかし、P2P技術を利用してアプリケーションを開発している人間にとっては非常に迷惑な話だ。ここまで「P2P=ファイル交換」という認識が広がってしまうと自分達が開発したアプリケーション/サービスまでも違法なファイル交換と勘違いされるケースもでてくるだろうし、自分たちのアプリケーション/サービスにとって良いイメージにはならない。このままP2Pという用語がファイル交換を指す言葉として定着してしまえば、P2P技術を利用してアプリケーションを開発している企業や開発者にとってはイメージ的に非常にマイナスになる。

 このままP2Pという言葉がファイル交換を指す言葉に定着してしまったとしたら、P2Pという言葉に変わる新しい言葉が必要になってくるだろう。以前にjnutellaの川崎氏も「P2Pという名前を捨てる時が来ているかもしれない」と言っていたが、このままP2Pのイメージが悪くなれば開発者やユーザが離れていく可能性がある。いざとなったらP2Pというラベルを捨てて新しい言葉に張り替えた方が現在のP2P開発者・ユーザにとってプラスになるだろう。

 個人的には、「P2P」という言葉の代替案は「オーバレイネットワーク」という言葉が良いと考えている。最近のP2Pを使ったサービスを見てみると、ファイル共有のために「限りなく広いネットワークを作るためのアプリケーション」というよりも「特定のサービスのためにユーザ同士で作るネットワーク」に移ってきているような感じがある。ファイル共有のためのアプリケーションというよりかは「自分たちのためのネットワークが作れる技術」というイメージにした方がユーザにもわかりやすいと思う。

 もっともP2Pの正しい用法か普及することが一番良いのだが…
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by kozai22 | 2004-02-12 21:10 | P2P
 「『ハッカー』と『クラッカー』の違いは?」と聞かれればコンピュータをある程度使っている方なら答えられるだろう。「ハッカー」はコンピュータ技術に精通した人々に対する尊称であり、「クラッカー」は、悪意をもって他人のコンピュータのデータやプログラムを盗み見たり、改ざん・破壊などを行なう人間のことを指している。

 ところが現在では「ハッカー」という言葉は「クラッカー」の意味で使われることが多い。一般の新聞はもちろん、最近ではIT系のニュースサイトでも「ハッカー」という言葉を「クラッカー」の意味で使っていることが多い。少し前ならば「それを言うなら『クラッカー』だ」と注意してくれるパワーユーザがおり、彼らが「正しいコンピュータ用語」を教えてくれたものだが、最近ではそのようなパワーユーザの姿も見かけなくなり、「ハッカー」という言葉は誤用されたまま普及してしまった。

 「ハッカー」に限られずコンピュータ関連の用語はわかりにくい所があり、しば々誤用されたまま言葉の「定義」が普及する場合がある。「ハッカー」のような言葉はそうでもないが、技術的な言葉などは言葉のイメージや用法が間違って広がってしまうと、その技術を広めようとしている団体や企業にとっては困ったことになる。そこで、その技術を普及させようとしている企業や団体はメディア等を使って「誤った用法」を直し「正しい用法」を教えようとする。

 最近では「グリッド」という言葉の「定義」を巡って多少の混乱があるようだ。最近までグリッドを説明する際にはSETI@HOMEなどの分散コンピューティングを例に語られることが多く「多数の遊休PCをつないで作るスーパコンピュータ」と説明されてきたと思う。しかし、最近のメディアにでている「グリッド関係者」の説明を読むと、どうも「グリッド=スーパーコンピュータ、SETI@HOME」という考えは「誤解」だったらしく、最近のグリッド解説記事では「SETI@HOME(のような例)だけがグリッドでは無い」という説明がしば々見られるようになった。「それではグリッドとは何なのか?と言えば、どうも色々な人達が色々の言葉で説明するので一言で説明できる言葉を見つけるのは難しいのだが、どうやら「社内外のコンピュータリソースの仮想化自律化を実現する技術」という点では一致しているような感がある。

 グリッドが「スパコン構築ツール」から「仮想化を実現するツール」と代わりはじめたのは、純粋に技術的な観点もあるだろうが、個人的にはマーケティング的な側面もあると思う。残念ながら多くの企業は「たんぱく質解析」や「宇宙人探し」にはあまり興味がない、それよりも社内の計算資源を偏り無く運用するツールの方が求められている。グリッドがこのまま「たんぱく質解や析宇宙人探しのためのスパコン」になってしまうと、出てくるはずのお金も出てこなくなる。それよりも現在の「仮想化、自律化」のブームに乗ってしまう方が得策、という考えが出てきても不思議ではない。

 グリッドという言葉は、ハッカーのように一般には広まってないし、ITに関心がある層にしか広まっていない言葉だ。言葉の「定義修正」はまだ間に合うだろう。
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by kozai22 | 2004-02-11 11:07 | P2P