ダブルスラッシュに関連した雑記


by kozai22
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言葉の定義は難しい(2)。P2Pのラベルは張り替えられるのか

 前回のエントリでは「グリッド」を例にして考えてみたが、グリッドがこれから普及していく言葉であるのに対し既に「誤用」が広がってしまった言葉がいくつかある。

 その中でも特に大きく「誤用」が広がっている言葉に「P2P」という言葉がある。P2PとはPeer-to-Peerの略語で「多数のコンピュータを結び、リソースを共有・活用できる分散アプリケーションを構築するための技術」だ。P2Pの技術はSETI@HOMEのような分散コンピューティング、アリエル・Grooveのようなグループウェア、Peercastのようなコンテンツ配信など様々なアプリケーションに使われている。

 しかし誠に遺憾ながら現状では「P2P」という言葉はWinMXやwinnyのようなファイル交換ツールを指すことが多い。個人ページやIT系のニュースサイトでも「P2Pアプリ」と言えばファイル交換・共有ソフトを指す場合がほとんどであり、P2Pを利用しているユーザといえば違法なファイルをしているユーザを指す場合も多い。良くも悪くもNapsterがP2P技術を広めたこともあり、ファイル交換・共有ソフトがP2Pの代表アプリと見られるのはしかたがないと言えば、しかたがない。

 しかし、P2P技術を利用してアプリケーションを開発している人間にとっては非常に迷惑な話だ。ここまで「P2P=ファイル交換」という認識が広がってしまうと自分達が開発したアプリケーション/サービスまでも違法なファイル交換と勘違いされるケースもでてくるだろうし、自分たちのアプリケーション/サービスにとって良いイメージにはならない。このままP2Pという用語がファイル交換を指す言葉として定着してしまえば、P2P技術を利用してアプリケーションを開発している企業や開発者にとってはイメージ的に非常にマイナスになる。

 このままP2Pという言葉がファイル交換を指す言葉に定着してしまったとしたら、P2Pという言葉に変わる新しい言葉が必要になってくるだろう。以前にjnutellaの川崎氏も「P2Pという名前を捨てる時が来ているかもしれない」と言っていたが、このままP2Pのイメージが悪くなれば開発者やユーザが離れていく可能性がある。いざとなったらP2Pというラベルを捨てて新しい言葉に張り替えた方が現在のP2P開発者・ユーザにとってプラスになるだろう。

 個人的には、「P2P」という言葉の代替案は「オーバレイネットワーク」という言葉が良いと考えている。最近のP2Pを使ったサービスを見てみると、ファイル共有のために「限りなく広いネットワークを作るためのアプリケーション」というよりも「特定のサービスのためにユーザ同士で作るネットワーク」に移ってきているような感じがある。ファイル共有のためのアプリケーションというよりかは「自分たちのためのネットワークが作れる技術」というイメージにした方がユーザにもわかりやすいと思う。

 もっともP2Pの正しい用法か普及することが一番良いのだが…
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by kozai22 | 2004-02-12 21:10 | P2P